子ども達のために僕らができること

破天荒な小学校教員が言いたいことを言うブログ

子どもにとって「スマホは百害あって一利なし」って本当?

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スマホが登場してから10年。

もはやスマホは私たちの生活に無くてはならないツールとなりました。


10代の子ども達がスマホに熱中する時間も増加し、学力低下やコミュニケーション能力の低下が叫ばれ、学校関係者や親達の間では

「どうやってスマホを辞めさせるか」

「どうやって学校にスマホを持ちこませないか」

という事が盛んに議論されています。でも、これからの時代を生きていく子ども達にとって、スマホを遠ざけることが本当に良いことなのでしょうか?

僕は、今の時代こそ【スマホを使いこなせる力】を、子どもの頃から養っておく必要があると思っています。

 

目次

 

〇新しい時代の教育

文科省が全国の学校に対して「どんなことを教え、どんな力を身に付けさせるか」を示した学習指導要領が改訂され、平成30年度から全面実施されることになりました。

なぜ、何のために改訂されたのかと言うと、キーワードは予測困難な時代に、一人一人が未来の創り手となるという言葉です。

 

以下、文科省のホームページより抜粋。

 

○ …近年顕著となってきているのは、知識・情報・技術をめぐる変化の 早さが加速度的となり、情報化やグローバル化といった社会的変化が、 人間の予測を超えて進展するようになってきていることである。

(略)

人工知能がいかに進化しようとも、それが行っているのは与えられた目的の中での処理である。一方で人間は、感性を豊かに働 かせながら、どのような未来を創っていくのか、どのように社会 や人生をよりよいものにしていくのかという目的を自ら考え出すことができる。多様な文脈が複雑に入り交じった環境の中でも、場面や状況を理解して自ら目的を設定し、その目的に応じて必要 な情報を見いだし、情報を基に深く理解して自分の考えをまとめ たり、相手にふさわしい表現を工夫したり、答えのない課題に対して、多様な他者と協働しながら目的に応じた納得解を見いだしたりすることができるという強みを持っている。

 

○ このために必要な力を成長の中で育んでいるのが、人間の学習 である。…新たな価値を生み出していくために必要な力を身に付け、子供たち一人一人が、予測できない変化に受け身で対処するのではなく、主体的に向き合って関わり合い、その過程を通して、自らの可能性を発揮し、よりよい社会と幸福な人生の創り手となっていけるようにすることが重要である。

 

要するに…

 

情報化グローバル化が進み、人工知能の登場等、人間の予測を超えて変化していく社会の中で、他者と協力し、自ら行動し、よりよい社会と幸福な人生を創り出せる子ども達を育てようね」

 

というわけです。 

 

文科省に色々と言いたいことはありますが、この改訂の基本的な考え方についてはものすごく賛成です。

 

これからの予測不能な時代を生き抜いていくためには、スマホも含めたハイテク機器を使いこなして課題解決をしていく力が必要なんです。

 

〇新しい時代のコミュニケーション

先ほど紹介した基本的な考え方の中に

(略)答えのない課題に対して、多様な他者と協働しながら目的に応じた納得解を見いだしたりする

という文が出てきます。これからの時代では、そのような力が必要なんです。この多様な他者と協働する…つまり誰かと繋がっていく時に必須ツールとなってくる物がスマホなんです。

 

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そうは言っても、子どもがスマホばっかり触っていると心配になるのが親心というもの。取り上げたくなる気持ちもわかりますが、その前に少し考えてみて頂きたいことがあります。それは「子ども達はなぜスマホで誰かと繋がるようになったのか」ということです。

 

ほんの十数年前まで、コミュニケーションは直接会って行うのが普通でした。話す内容も、昨日のテレビや流行りのゲームや音楽、漫画といった友達と共有しやすいテーマでした。

 

しかし時代が変わり、大人や子どもの多忙化などによって、誰かと直接コミュニケーションを取れる時間が減少してしまいました。

それに加え、子ども達の趣味や悩みも複雑多様化し、直接会える範囲だけでは共通の趣味や、似た悩みを持った人がいない場合も増えてきました。

 そこに登場したのがスマホでした。

スマホLINEを送れば、いつ、どこにいても友達とやり取りができます。Twitterでつぶやけば、遠く離れた年齢も違う人と友達になることだって可能です。

近くにいる誰かや世界中の人と一緒に同じゲームができます。匿名性も高いように思えるので、直接言いにくい悩みも相談することができます。

子ども達がスマホに夢中になるのは当然の結果と言えるでしょう。

 

スマホの問題点

だからといって子どもにスマホを与え、好き放題させても良いかと言うともちろんそうではありません。スマホを持つことのデメリットをざっと挙げてみると…

 

スマホ依存症やゲーム依存症、ネット依存症になる危険性がある

LINE依存症になる危険性がある

・家庭内などリアルの会話が減る

学力低下の恐れがある

ワンクリック詐欺や高額請求に巻き込まれる可能性がある

・友達に悪口を書かれる、友達の悪口を書くといったトラブルが起きる可能性がある

 

詳しく書くともっとあると思いますが、ざっと思いつくだけでもこれだけの問題点があります。

 

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スマホの正しい使い方

スマホは使いこなせるようになった方がいい」でもスマホを使わせることで悪影響もある」

 

悩ましいですよね。

インターネット上の悩み相談サイトやブログ等で、「子どもにスマホを使わせる上で、気を付けていること」を調べて簡単にまとめてみました。

 

・ルールや時間を決める(守らなくなるという意見も)

・機能制限付きスマホにする

・充電器をリビング等の見える所だけに置く

スマホは親と共有する

 

また、こちらのサイトも参考にしてください。

『スマホ18の約束』に学ぶ、子どもにスマホを持たせる親の心得


スマホ使用の教科書と呼ばれるほどの大反響を呼んだ一通の手紙について書かれています。

 

スマホとこれからの教育

スマホは、間違った使い方をすれば悪影響もある。それでも僕は、子どもの頃からスマホを使っておくべきだと思います。

何度も言いますが、これからの予測不能な時代では、年齢も人種も異なる、色んな考えを持った人達と協働しながら課題を解決していかなければなりません。

会社に入って、上司の命令通り働けば一生涯安泰!という時代ではなくなったのです!
社会に出て初めてハイテク機器に触れるようでは手遅れです!

 

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学力低下を問題視される方は多いですが、学力は子どもの持っている資質の一側面にしか過ぎません。
それに、現在の学力判定の基準は、まだまだ暗記や教科書から得られる知識重視で、これからの時代を生きる力を正確に表しているかと言われると疑問が残ります。

数学のテストで良い点が取れても、スマホを使いこなせない。ネット上で多様な背景を持った人達とどうコミュニケーションを取ればいいかわからない。それでは生きる力を養う教育として本末転倒です。

 

学力なんかどうだって良いと言っているわけではありません。スマホは正しく使えば、新しい時代を生きる子ども達の生きる力を育むツールだと言いたいのです。

 

 

子ども達がスマホを正しく使うためには、僕たち大人の指導が必要です。

 

「直接言えないような陰口をネットで書いちゃダメだよ」

架空請求や高額請求はこんな手口だから気をつけてね」

LINEで常に繋がらなきゃいけない友情が本当の友情なのかな?」

「ネットとリアル、両方の視点から物事を考えるんだよ」

 

と教えながら、子ども達が自らの力をより発揮できるようサポートしていくことが重要なんです!!

 

〇まとめ

今の子ども達にとって、もはやスマホはあって当たり前のツールです。私たちが、漫画にハマり、映画館で感動し、読書に耽り、MDウォークマンを聴きまくり、文字制限のあるメールで友達や恋人と想いを伝え合っていたように、今の子ども達はスマホにハマるのです。

 

そして、そのスマホは子ども達にとって非常に強力な武器にもなります。


スマホを遠ざけて、その場しのぎの解決で終わらせてしまうのではなく、スマホとの正しい付き合い方を教え、導いていくことこそ僕たち教師や親の役目ではないでしょうか。